水質管理方法

プールの水の汚れには、「目に見える汚れ」と「目に見えない汚れ」があります。
目に見える汚れ(沈殿物や浮遊物)は、循環ろ過機によってほとんど除去されますが、「目に見えない汚れ」、すなわち「水に溶けた汚れ」は、どんな高性能のろ過機でもほとんどろ過することができません。
目に見えない汚れ(アンモニア、尿素などの窒素化合物及び有機物)がプール水中に蓄積しないよう、日常的に水質管理を行なうことが重要です。

プールの水を清潔に保つには

プールに持ち込まれるバイ菌

プール水の汚れの大半は、遊泳者自身が持ち込んだ汚れやバイ菌です。
身体に付着している汗やアカ・遊泳中の発汗・尿などの分泌物や排泄物には、多量の塩分、尿素、アンモニア等の窒素化合物が含まれています。
また、サンローションやヘアースプレイ等の化粧品にも、いろいろな有機物や窒素化合物が含まれています。
これらの物質が、プールの水と混ざり合って「目に見えない汚れ」の原因となってしまいます。
これらの汚れを分解するためには、塩素剤の定期的な投入が必要になるのです。
塩素剤は決められた容量・使用方法を間違えないように使用しなくてはなりません。

消毒剤の使用方法

プール用消毒剤

プールで消毒の目的に用いられる塩素剤は、一般的には下記のものがあります。
それぞれ特徴があり、使用には注意が必要です。

(1).次亜塩素酸ナトリウム液
(2).次亜塩素酸カルシウム
(3).塩素化イソシアヌル酸

現在使用中の薬剤があれば、その表示をよく見てどんな成分の薬剤なのかを確認します。また指示された使用方法をきちんと守るようにしましょう。これから購入する場合は商品名の他に成分名を確認し、プールの使用形態や管理方法に合ったものを選びましょう。それぞれの特徴は下記の通りです。

【次亜塩素酸ナトリウム液】
次亜塩素酸はNaOClの水溶液です。
濃厚の高い液体は、皮膚に対して強い腐食性があり、手につくと容器が滑りやすくなるので、取り扱いには注意が必要です。皮膚についた場合は、速やかに大量の水を使って洗い流しましょう。
通常の使用方法は、次亜塩素酸ナトリウム液用の耐食性注入ポンプを使って、プール水を循環する配管に圧入して、その水をプールに送水ポンプで送り込む方法です。この場合、ノズル口がつまったり、気泡が咬んだりして、所要量が流入していないことがあるので、常に点検が必要です。
上記のように注入装置を用いず、直接プール水に流し込む場合、濃厚の高い次亜塩素酸ナトリウム液をそのままプールに入れるのは、薬剤の取扱上も好ましくありません。大量の水で薄めたものをプール全体に散布するようにします。大量の水で薄めることにより、液のアルカリ性が弱められるだけでなく、プール全体への残留塩素の分布がよくなります。

【次亜塩素酸カルシウム】
次亜塩素酸カルシウムを主成分とする白色、固体の塩素剤です。現在市販されているものは、高純度の中性次亜塩素酸カルシウム剤で、保存性がよく水に溶解した際の不溶解分がほとんどありません。
品質のよい中性次亜塩素酸カルシウムは有効塩素含有量が70%以上あり、市販商品の形としては、錠剤と顆粒があります。顆粒のものはプール水中に散布すると速やかに溶解します。錠剤のものはプールに投入しておくとしだいに溶解して、徐々に有効塩素濃度が上がるので、装置を使用しなくても有効塩素の補給が手軽に行えるという特徴があります。また、顆粒を使用し、一旦機械内で溶解して注入する塩素水注入装置もあります。

【塩素化イソシアヌル酸】
イソシアヌル酸という化学的に安定な化合物に塩素を作用させて製造したもので、白色、固体の塩素剤です。塩素の含有量によって、「トリクロロイソシアヌル酸」「ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム」「ジクロロイソシアヌル酸カリウム」の3種類があります。
トリクロロとジクロロではトリクロロが溶けにくく、カリウム塩とナトリウム塩ではカリウム塩の方が溶けにくいという特徴がありますので、成分名を確認して使用するようにします。
顆粒のものはプール水中に散布すると、不溶解分を残さずに溶解します。錠剤のものはプールに投入しておくとしだいに溶解するので、中性次亜塩素酸カルシウムの錠剤と同様に、装置を使用しないで有効塩素を補給する手段として利用できます。 塩素化イソシアヌル酸は水の中で加水分解した場合、pHが下がりますので、pHの基準値よりも下がった場合、アルカリ剤を使用して上げる必要があります。アルカリ剤には水酸化ナトリウムNaOHや炭酸水素ナトリウムがあります。水酸化ナトリウムは強アルカリなので、取り扱いには十分な注意が必要です。炭酸水素ナトリウムの方がコストは高くなりますが、取り扱いは容易です。

遊離残留塩素測定方法

水道水の残留塩素濃度を測定する方法として下記の方法があります。

(1).ジエチル-p-フェニレンジアミン法(DPD法)比色法
(2).DPDによる吸光光度法
(3).電流滴定法
(4).ポーラログラフ法

このうち、取扱いの容易さから、プールの残留塩素濃度測定に一般的によく利用されている方法は、(1)と(2)の試薬と資料水中の残留塩素の反応による発色を利用した方法です。

【ジエチル-p-フェニレンジアミン法(DPD法)比色法】
試料水中の残留塩素がDPD試薬と反応して生じる桃色~桃赤色を、標準比色列と目視にて比較します。
ヨウ化カリウムを加えることで遊離残留塩素と結合残留塩素の分離測定ができ、操作も簡単なことから、現在、残留塩素測定の主流となっている測定方法です。DPD法による測定器には比色式とデジタル式があり、いずれの方式もハンディータイプの製品が発売されていますが、比色式が最も普及しています。

【DPDによる吸光光度法】
試料水中の残留塩素がDPD試薬と反応して生じる桃色~桃赤色を、波長510ないし550nm付近の吸光度で測定します。

pH測定方法

厚生省の通達によりますと、pHは5.8~8.6の範囲に定められていますが、快適に泳ぐには、6.8~7.5の範囲内でpH管理をするのが望ましいようです。
シアヌール酸系の塩素系消毒剤を使用すると、pHが下がり人体への影響やプール機器の腐食の原因になったりします。また、硫酸バンドを単独で使用しますと、pHが下がり凝集効果が低下します。この場合、アルカリ(ソーダ灰)を投入してください。
次亜塩素酸ソーダを使用すると、逆に、pHが上昇します。pHが高いと殺菌力が弱くなりますので、うすい酸を投入してください。なお、日曹ハイクロンを使用しますとpHは中性で変わりません。

水温・濁度の測定

【水温について】
屋外プールでは24~25℃が適温です。21℃以下ですと、体温の低下が著しく、遊泳は好ましくありませんが、特に原水が地下水のときは、水温(14~18℃)が低いので注意しなければなりません。
室内温水プールでは、29~30℃で管理されています。

【濁度について】
水の濁りの度合いを示す項目で、1l水中に1mgの精製カオリンを含む濁りの度合を1度、または1mg/lとして表します。
また、水の濁りの度合いを透明度で表すこともできますが、文部科学省学校環境衛生の基準では、この透明度は水中で3m離れた位置からプールの壁面が明確に見える程度に保たれている事とされています。

スーパークロリネーション

プールには、身体に付着した汗やアカ、ヘアスプレー等の化粧品等に含まれるいろいろな有機物や窒素化合物などの「目に見えない汚れ」があります。このようなプール水の問題の解消と水質改善には、スーパークロリネーションが著しい効果を発揮します。

スーパークロリネーションは、汚れの状況に応じて適切に実施する必要があります。
プール水の汚染が激しい(遊泳負荷が大きい)場合は、毎日処理をしなければなりません。また、汚染が少ない(遊泳負荷が小さい)場合あるいは補給注水の多いプールでは、7日~10日毎に1回処理することをおすすめします。

【処理の手順】
(1).遊泳時間の終了後におこないます。
(2).ハイクロン顆粒剤を溶解してプールに散布します。
(3).ハイクロン使用量は、残留塩素が5~10mg/lになる量とします。(プール水100㎥当りハイクロン顆粒剤700~1400g)
(4).ろ過機は、一晩継続運転します。
  アンモニアは、約1時間以内で分解しますが、他の有機物の分解には長時間を要します。
(5).翌朝には、残留塩素がほとんどなくなります。
  もし残留塩素が基準値以上ある場合は、ノンクロエースで中和してから遊泳します。
  (残留塩素1mg/lの脱塩素には、100㎥当りノンクロエース200g)

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