水質管理設備の仕組み

  • 海水や温泉水を原水として利用していて常時清浄な用水が流入し、清浄度が保てる構造である場合を除き、一般のプール施設には浄化設備を設けることが規定されています。
    プール水を浄化する目的は、利用者に快適性を与えるための水の透明度の確保、水中の溶存物質などの増加を防止することがあります。これは、ひいては消毒薬である塩素剤の消耗低減につながり、病原菌やウィルスによる水系感染症の防止に役立ちます。

    ろ過機

    現在一般的に行われている浄化システムは循環ろ過式と言われています。ポンプによってプールから引き出されたプール水が、集毛器で大きなゴミを除かれ、ろ過されて澄んだ水となり、最後に滅菌器から注入される塩素によって滅菌されてプールに環流します。
    プール水の不純物を取り除くろ過装置にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。

    砂ろ過装置

    ろ材に砂や砂利を用いるろ過装置です。ポンプによってタンク内に送り込まれたプール水は、散水装置によってろ材表面に散水され、砂ろ過層(厚さ約600mm)と支持層(砂利層、厚さ約400mm)を通過して集水装置に集まり、タンクを出ます。汚染物質の除去効果を高めるため、硫酸バンドやPACなどの凝集剤を使う場合もあります。
     ろ過層にたまる汚濁物質は、ろ過の妨げ(ろ過抵抗)になります。ろ過抵抗は、タンク入口と出口配管に設けられている2個の圧力計の指示値の差で読みとります。その差が0.7kg/平方センチメートル以上になったら、ろ過を停止し、バルブ操作により集水装置から逆に洗浄水を噴出させ、ろ過層の下から上に水を通して洗浄(逆洗)し、汚水は散水口から装置外に排出します。最近はこれらの操作を自動化したものも多くなりました。

    珪藻土ろ過装置

    ケイソウ土粉末、又はこれに類する粉末をろ過助剤としてろ過膜をつくり、これによってプール水をろ過する装置です。ろ過タンクの他にプレコートタンクがあり、そこにケイソウ土を入れるようになっています。
     ろ過タンクの中にはケイソウ土を付着させるろ材(ろ過エレメント)が、ろ過能力に応じて収容されて、広いろ過面積を形成しています。ろ材の形はメーカーによって、円筒状、円板状、葉状、袋状などいろいろあります。
     タンクには圧力計を付け、ろ過膜の目づまりによるろ過抵抗の限度を判定し、洗浄機構によって汚れたろ過膜を洗い落とし、再び新しいケイソウ土を供給します。

    カートリッジ式ろ過装置

    ろ過タンクの中にろ過能力に応じた本数のカートリッジろ材を収容し、プール水をろ材外側から送り込み、ろ材表面で粗いゴミを除き、ろ材内層で微細なゴミを捕捉し、ろ水をプールに戻す装置です。カートリッジ式はろ過助剤を使わないので、プレコートや洗浄の必要はありません。
     プール用カートリッジろ材には、糸巻き型カートリッジとプリーツ型カートリッジがあります。カートリッジは目づまりした時点で新しいカートリッジと取り替える必要があります。目づまりの状態はろ過タンクの圧力計でわかります。また、ろ材カートリッジは再生が困難なため、使い捨てになります。

    滅菌器

    滅菌器は通常循環ろ過システムの工程で使用される、殺菌剤を投入するための装置です。滅菌器には手動タイプと自動タイプがありますが、文部科学省のプール水質基準で「塩素剤は連続して注入すべき」と提唱されていることもあり、最近では残留塩素濃度を安定させ易い全自動タイプの滅菌器を採用するのが望ましいとされています。